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2006年1月27日 (金)

ビバ! プレイオフの旅【12】「漢(おとこ)になろうと」

ムネリンこと川崎が、上気しながら、インタビューに応えている。

汗と、涙と、鼻水と。
体中から、体液という体液を流しながら、
スタンドのぼくらは、誰かれとなく、抱き合っていた。
志が同じ者と唄う「いざゆけ若鷹軍団」は、とても気高く思えた。
花火があがり、ドームの屋根がひらいてゆく。
言葉にならない叫び声で、お立ち台の若者を讃えていた。

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延長10回表、若き守護神・馬原孝浩がマリーンズ打線を抑える。
その裏、リリーフの小野晋吾を攻め、バティスタがレフト前へ、
代わった藤田宗一から、大村がセンター前へ運ぶ。 1死1、3塁。

そして、さして、よくない当たりに思えた川崎の打球は、
1・2塁間で2度、3度と弾み、右翼手の前に転がっていった。

プレイオフの旅(前編)、おわり  051015_2155.jpg

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2006年1月26日 (木)

ビバ! プレイオフの旅【11】9回裏を思いおこせば。

先頭、唯一好調のホルベルト・カブレラがセンター前ヒットで出塁する。
続く代打トニー・バティスタ、凡退。 1死1塁。
代打の職人・大道典喜はピッチャーゴロ、これが小林雅の悪送球を誘う。 1、2塁。
この日スタメン落ち、途中から代打で出場の大村直之、1・2塁間を抜く。
ホークスに、待望の1点が入る。 得点、1-4。
スタンドが、揺れはじめる。

打順1番に戻って、川崎。 
打球は、3塁手のゴリ・今江敏晃の頭上に跳ねあがる。
ここで、2塁走者の代走・鳥越裕介と交錯、守備妨害となってしまう。
一度は鳥越の生還となるものの、抗議によって得点は認められず。
王監督は、流れがきられることを嫌い、あえて再抗議はせず。
逆に、ブーイングをなだめにまわる。 冷静。 

1死満塁。
代打の荒金久雄、センター前へはじき返す。 得点、3-4。
3番・宮地克彦は、無念の凡退。 2死2、3塁。
だけど、トライアウトから這い上がった苦労人を、誰も責めはしない。
もう、誰も帰ろうともしない。

大声援が、背番号3に押し寄せている。
地響きのように、津波のように。
“のーぶひこ!(チャッ、チャッ、チャッ)
 のーぶひこ!(チャッ、チャッ、チャッ)“
プレイオフ3試合ノーヒットは、悩める4番、松中信彦。

が、ボビー・バレンタインは、主砲との勝負を拒む。 敬遠。
9回2死、ホークス3-4マリーンズ、1点差。
走者1塁・松中、2塁・荒金、3塁・川崎、すべて埋まっている。

パナマの怪人が、バッターボックスへ向かった。

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2006年1月25日 (水)

ビバ! プレイオフの旅【10】「バッターは、5番ファースト、フリオ・ズレータ」

あきらかに、球が上ずっている。
ストライクが、はいらない。
初球、ボール。 カウント、0-1。

僕の右側にいたグループは、追加点を取られた時点で席を立っている。
3塁側ベンチでは、かぶり物をしたベニーを先頭に、
マリーンズナインが31年ぶりの歓喜に身を躍らそうとしている。
・・・はずだった。
2球目、ボール。 カウント、0-2。

つい15分ほど前まで、レフトスタンド上段の一角からだけだった声援が、
スタンド全体から、ドームを覆うようにこだましはじめている。
ただ、連呼されるチーム名だけが変っていた。
3球目、ボール。 カウント、0-3。

「もしかしたら」 
僕だけじゃない。 奇跡を信じてドームに残ったホークスファン全員の、
そして、ホークスナインの想いが、見えないなにかを突き動かしている。

4球目。
小林雅は、わずかに天を見上げたあと、ゆっくりと両膝に手をついた。
3塁ランナー・川崎宗則、生還。
9回2死満塁、ホークス4-4マリーンズ。 ついに、同点。

ドームは、すさまじい勢いで揺れ続けていた。

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2006年1月24日 (火)

ビバ! プレイオフの旅【9】ち!ば! ロッ!テ! マ!リー!ンズ!!

プロ野球では、マリーンズファンの応援がもっとも素晴らしい、
常々、僕は、そう感じていた。
鐘や太鼓を使わず、あくまで、自分たちの「声」だけを頼りに
チームを、選手を、後押しする。 ただ、ひたすらに、まっすぐに。
このドームの中に、マリーンズファンは本当に1000人しかいないのか、
そう思わされるほど、彼らの熱い想いと叫びが、伝わってくる。

先発・新垣渚が3回に2点を失うと、救援陣も8回に打ち込まれた。
9回表を終わって、ホークス0-4マリーンズ。
あと3人で、ホークスの2005シーズンが終わってしまう。

マウンド上には、マリーンズのクローザー・小林雅英が登場した。

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